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オランダの交通体系はとてもバラエティに富んでいます。 トラムに、電車、バス、車、自転車、ボート、スケート?。そのなかでもボートとトラムはオランダの風景の一部と言えるほど、生活に溶け込んでいます。 日本でトラム、すなわち市電というと時代遅れの過去の乗り物という概念しかなく、非常に残念ですが、 ヨーロッパでは、どこでも市民に親しまれていて、街で一番大切にされている交通機関という感じがします。 ことにオランダでは、どこも平坦な地形であり、トラムの走りやすい環境が整っています。 最近のトラムの特徴は、LRTと呼ばれ、近ごろ日本でも脚光を浴びている、床がとても低く乗り降りの所に段差がない「超低床」構造であることが挙げられます。 ノンステップで乗り降りできるので身体への負担が少なく、踏外しによる転倒事故も避けられ、 とても安全な構造です。年配の方に限らずうれしい配慮です。そして車体の幅がとてもスリムで、 脇を走る車に対して、威圧感をほとんど与えないくらいのスマートさです。 素晴らしいのは外装のデザインで、いかにもヨーロッパらしい洗練されたものです。 発車、停車時の加減速性能は自動車なみで、モタモタした感じは一切なく意外と揺れもありません。 日本の鈍重に走る市電とは比較にならない、申し分のない乗り心地です。
ところで、アムステルダムのトラムに乗っていて軌道に関して面白いことに気が付きました。ふつう、鉄道の複線というのは上下線が別々に敷かれています。
そして、道路の幅が狭いところでは、合流用のポイントを設置してこの区間だけ単線にしてしまいます。(右図上) さて、今日も市民に愛されている、カラフルに彩られたトラムが、オランダ各地を軽快に走っていることでしょう。 |