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コンセルトヘボウへはアムステルダムCS(中央駅)から5番のトラムが便利で約10分で到着します。
近くには国立博物館やゴッホ美術館があり、晴れた休日には観光客の姿で賑わっています。
ホールの周辺の様子は、前の道路には車やトラムが頻繁に行き交っていてかなり交通量が多く感じられます。
コンサートホールの環境にしてみれば、この騒音がホールの内部にまで侵入しやしないかな、
と心配になってしまう位の少し落ち着かない雰囲気です。
グルグル廻る遊園地にあるような大きな回転式の扉を入ると、チケット売り場とちょっとしたロビーがあります。
ここには2つのホール、大ホール(Grote Zaal)と、小ホール(Kleine Zaal)があって、チケットを買う時には念のため
どちらかはっきりと指定した方が賢明でしょう。内部のキヨスクには
形状は小ホールの方は入らなかったのでわかりませんが、大ホールの内部は一言で言えば箱型の形をしています。
平土間の客席の左右と後方にはバルコニー席があり、ステージの左右後方にも階段状の座席があります。
その座席の横には2階への50段くらいの階段が左右にVの字の形で通じていて、
奏者は、拍手に迎えられながらスポットライトを浴びるように階段を降りてきて演奏を始めます。
なかなか演出的に味わいのある粋な構造です。しかし、演奏後は奏者はこのキビシイ階段をわざわざ登らなければ退場できません。
ラファエル・アンサンブルの演奏会の時でしたが、奏者の一人が登場後、譜面台に楽譜が無いのに気づいて、
慌てて階段を駆け登って楽屋に取りに帰り、すぐに再度、舞台まで駆け下りてとてもお気の毒な光景でした。
が、はからずも陸上選手並みのすばらしい脚力を披露したことが、聴衆には大ウケで拍手喝采を浴びていました。
こういう、演奏家にとってはあまり有り難くない階段のゆえ、老演奏家の場合は他のホールと同じように舞台の袖から登場、
退場するのが通例のようです。指揮者のクルト・ザンデルリンクはおとなしくそのようにしていました。
音楽会の様子ですが、例えばロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏会などの普通のコンサートの場合ですと、
日本に比べると年齢層はかなり高いと感じます。けれども、聴衆の服装は日本のコンサート会場とほとんど同じで、
ラフな格好の人もけっこう多くいます。隣国ドイツの少しかしこまった雰囲気と比べるとずっと気軽に楽しめます。
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